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【突撃取材!?】
高知を代表するフルーツといえば「文旦(ぶんたん)」。 文旦には、水晶文旦・温室文旦・土佐文旦(露地文旦)があります。 例年10月から翌年の5月ごろまで、水晶→ 温室→ 露地の順番に出荷されます。 そんなわけで、冬のフルーツという印象のある文旦ですが、その受粉(花つけ)作業は、新緑のまばゆい、5月初旬から中旬にかけて行われます。 高知県人たる者、文旦の栽培を知らないではすまされません。 分かったようなことを書いておりますが、私も文旦農家を訪ねるのははじめて。
思わず絶句! 文旦にかぎらず、柑橘類は水はけの良い土地が命。水はけを良くするため、このような斜面に木を植えているのです。 こんな斜面にも!! ワーッ o(><;)o
いやはや、今日は無事に帰れるのでしょうか。一度足を踏み外したら、途中で止まりそうにありません。 生産者の方のご苦労がしのばれます。 今日は花つけだけですが、収穫のときには、重い文旦を背負って歩き回らなければなりません。しかも、土佐文旦の収穫時期は12月中旬。南国土佐とはいえ、決して楽な作業ではありません。
さて、いよいよ作業をする畑にやってきました。やっぱり傾斜はきついですね。 でも、生産者の皆さんは、飲み込みの悪い私に、懇切丁寧に受粉の手順を教えてくださいました。
文旦の花をご覧になったことのある方は少ないのではないでしょうか。 白く可憐なその姿からは、あの大きな文旦を想像できません。 けれども、その「香り」には驚かされます。 もっと淡い香りを想像していたのですが、畑に近づいただけで「花が咲いているな」と分かる濃厚な香りでした。 今回取材させていただいたのは露地ものですが、文旦にはハウスものもあります。広大なハウスの中で、水晶文旦や温室文旦を栽培するのです。 農家の方がおっしゃるには、「ハウスの奥のほうで花が咲いたことが、ハウスに一歩足を踏み入れた瞬間に分かる」そうです!! (゜□゜*)エーッ!!
その香りを例えるなら、ジンチョウゲに近いでしょうか。きけば柑橘類は一般的に花の香りは強いそうです。
花のまん中にあるのが「めしべ」。この先端に花粉をつけます。 要するに、人工的に受精させるわけです。自然の風や昆虫による受粉にまかせると、収穫量は2割程度に減ってしまうそうです。 ですから花つけは、年末の収穫量を左右するとても大切な作業です。 しかも、雨がふると受粉は行えません。花は空が晴れるまで待ってはくれないので、今日のような晴天は絶好の「花つけ日より」なのです。
花つけは、このような器具の先端に「花粉」をつけ、花のめしべに軽く押し当てるようにして行います。 赤く写っているのが「花粉」です。各生産者ごとに秘伝のレシピがあり、門外不出とされています。 それ自体が生き物ですし、作るのに大変な手間と時間がかかるため、「花粉」は非常に貴重なものとして扱われます。 私は、2度ほどコケて、斜面を滑り落ちましたが、生産者の皆さんの心配そうな目は、まちがいなく私のからだではなく、「花粉」に向けられていました。 ( ̄O ̄;)
・・・・・・ こんなかんじで受粉します。 手前に写っているのが、だいじなだいじな「花粉」のボトル。
作業をすすめながら、山を登ってきました。 見下ろすとこんな感じ。上から見てもスゴイ斜面ですね。
高知県土佐市は文旦発祥の地。 今回私どもが取材をさせていただいたのは、山の頂上に近い、急な斜面でしたが、山のすそ野にちかいなだらかな土地でも、文旦を栽培しています。 ここから全国の皆さまの下へ、おいしいおいしい文旦が出荷されるのです。 下の写真は「モノレール」。 収穫した文旦を満載して、ふもとに運びます。
以上で取材は終了です。ご協力いただきました皆さま、本当にありがとうございました。 秋が深まり、文旦を手にすることがございましたら、ぜひ南国高知で手間隙をおしまず、美味しい文旦をつくりたい一心で働いている生産者の皆さんを思い出してください。
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