三養醸造
三養醸造

鬼才とよく呼ばれ事もある三養醸造の山田さん。
そのユニークな人柄とは裏腹に、造るワインは誠実そのもの。
その実力はジャパンワインチャレンジ2016で証明された。
猫のラベルが可愛らしい「猫 甲州 2015」が見事銀賞を受賞。
ますます目が離せなくなってきている。
そんな三養醸造は、1933年から醸造が始まり、啓二さんで4代目。
「日本産」にこだわり、自社畑や地元牧丘のぶどうを中心にワイン造りをしている。
三養醸造の名前の由来は唐代の有名な漢詩,三養訓から。
和約すると,
『 美味しい葡萄酒を飲んで楽しく生きよう 』
という意味だそうです。

三養醸造

通称「ジャングル畑」 。あちらこちらに草が生える、自社畑のメルロ。

山田さんが連れてきてくれた自社畑の一つ。
畑の前には「文子ヴィンヤード」の看板が。
そんな自社畑では、メルロが栽培されている。
植えられている樹は7年〜8年目のもの。

ここの畑は、もともと試験的に日が当たらないようにと、枝や葉の向きを調整していた。
去年からは試行錯誤の末、より多くの太陽光を当てた方が良いのではないか?と考え、
日陰になるように調整していた枝や葉を日が当たるように調整しているようです。

しかし気になるのは、元気に生い茂る草木!笑
通称ジャングル畑です!笑

しかしちょっと自由に生やし過ぎて、近所の人には何やってんだとみられることもしばしばなんですよね…。 」
「でも、草をボーボーにすることにより微生物などの活動が活発になり、 土はふかふかに。
この畑は山が近いため樹を食べたりする虫が寄ってくるが、 それは殺虫剤まいて対応してます。
殺虫剤って聞くと聞こえは悪いかもしれないけど、殺虫剤は樹や葡萄に与える影響はとても低い。
ボルドー液を散布してもいいが、そうすると土が死んでカチカチになってしまう。
殺虫剤をまいても土は死なないし、かえって葡萄は良質なものが採れるんですよ。
これって、この地域の巨峰農家産たちが長年続けてきて、すでに実証済みなんですよ。」

昔から生食用ブドウ「巨峰」の名産地として名をあげている牧丘に畑をもち、
先代から栽培を続けているからこその経験が、この畑で活きている。
そういって見せてくれたこだわりのメルロ畑以外にも、サンジョベーゼやピノブランなどの栽培も行っている。

三養醸造

栽培から熟成に至るまで徹底したこだわりを。
「この畑でできたメルロは、糖度が高いんだけど皮が薄くタンニンが薄いんだよね。」
( このことからも、葡萄への陽の当て方を試行錯誤している模様。)

そう言いながら葡萄を食べさせてもらったが、
どの葡萄も健全で良い実の生り方をしていて、かなりの甘さを感じた。
しかし若干青臭い感じのニュアンスもしたのだが、
どうやらこれは葡萄の実熟香からくるものだそう。

「それが個性と捉える方もいるけれど、醸造している立場からすると、
それじゃダメなんだよね。」
「しっかりと熟度と糖度を上げてから収穫しないと。」

そんな畑や栽培方法にこだわりを持つメルロは、
醸造 〜 販売に至るまでも、しっかりとした工夫と理念がある。

「熟成には数々の樽を使った結果生き残った、フレンチオークの「エルミタージュ」を使用してます。
どの年も安定して、そしてリーズナブルなワインとして提供したい。
その思いから、複数年のワインをブレンドしてます。
日照をあてない栽培をしていたため色づきは薄いですが、
その色合いからは想像もつかないほどふくよかで複雑な香りと味わいを感じられるんですよ!」

語りながら徐々に熱が入ってきて、身振り手振りで説明してくれる山田さん。

あ〜この人本当にワインが好きなんだな〜
これだけ好きな人が造ってるなら美味しくなるわけだ。
と感じさせられました。

三養醸造

どのワインを飲んでもどうしても醸造家としての立ち位置で見てしまう。
その他にも身振り手振り熱弁してくれたのは、
「猫 甲州 2015」。
( 紹介してもらった時はまだジャパンワインチャレンジの結果発表前。)

「この猫甲州は、3ヶ月ほど樽熟成させた甲州と、シュール・リー醸造させた甲州のブレンドワイン。
樽熟成はアクセント付のためにしたんです。
この甲州は、口に含むと甲州とは思えないほどふくよかな香りが口全体に広がって、
柑橘類を中心とした幾層にも重なる華やかな香り!
それと樽由来の厚みある香りは甲州とは思えないほど!!

けど、今飲むと後味に若干の苦みを感じるんですよ...。
でも、これは樽由来のもので、 まだ固さの残る証拠。

だから本来の飲み頃は来年の春ごろかな〜 。
そのころには樽の角が取れ、このワイン本来のまろやかな味わいが楽しめますよ!」

そのユニークな人柄か、鬼才と呼ばれることもあるようですが、
ワインにかける熱い情熱と、その栽培、醸造のセンスは天才と呼ぶ人も。
取材時に、「栽培や醸造ってどこかで勉強なさってたんですか?」
とお聞きしたら、

「すべて独学ですよ!
栽培は畑に出てれば葡萄が教えてくれる。
醸造は葡萄が語りかけてくることがあるんですよ!笑」

鬼才であり天才。
ワインにかける熱い情熱と誠実さが、今後も目を離せないド級のワインを生み出してくれることでしょう。

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