自転車は有酸素運動(エアロビクス)
・・・その効果
全身の大きな筋肉群を、リズミカルに、連続して使い、体内にたえず酸素を取り入れながら行う全身運動が、有酸素運動(エアロビクス)です。自転車に乗っての運動は、歩く、ジョギング、水泳と並んで有酸素運動の代表です。
有酸素運動をすると、呼吸筋の働きで空気が肺へ送られます。そして肺胞から酸素が血液の中に入り、血液は心臓のポンプ作用によって全身の筋肉に届けられます。そのため、有酸素運動を習慣的に行っていると、次第に呼吸、循環系が発達してきます。具体的には、毛細血管網の発達、全身持久力(スタミナ)のバロメーターである最大酸素接取量の増加のほか、動脈硬化を予防するHDLコレステロールの増加、インシュリンの糖に対する感受性の向上などの効果が表れます。また、20分以上有酸素運動を続けると、エネルギー源として脂肪が使われる割合が増加してくるので、肥満解消にも貢献します。
自転車が代表する有酸素運動のこのような効果は、高血圧、糖尿病をはじめとする多く成人病の予防に貢献します。自転車に乗ることは、健康へのパスポートといえるのです。
血糖値に対する効果
血糖値に関係する病気が、糖尿病です。食事をすると、糖質が吸収されて、血糖値が上がります。しかし、健康な人の場合、すい臓からインシュリンというホルモンが分泌され、血糖値を正常な範囲に下げてくれます。インシュリンが充分に分泌されないと、血糖値が下がらず、糖尿病になるのです。よく運動をしている人は少ないインシュリンで、血糖値を下げることが実験で証明されています。すなわち、運動をよくしている人としていない人では、インシュリンの感受性に差がでるのです。
これまで、糖尿病は、老化現象のひとつで、歳をとるとインシュリンの分泌が鈍くなるからだとされてきました。しかし、最近は、歳をとるからではなく、歳をとるにしたがい運動量が少なくなるのが原因だと考えられています。適度な運動は、糖尿病の予防にも効果があるのです。
血圧に対する効果
筋肉のすみずみまで血液を運んでいるのが毛細血管です。サイクリングなど酸素を体内にたくさん取り入れる有酸素運動を行うと、毛細血管が発達します。毛細血管が太くなり数も増えるので、血液の流れがよくなります。その綻果、血圧が低くなります。適度な運動に軽い高血圧を改善する作用があるのはこのためです。
また、動脈硬化のために心筋での血液の流れが悪くなったり、つまったために起こるのが、狭心症や心筋梗塞など虚血性心疾患です。これらの病気も血液の流れがよくなれば改善できるのです。
コレステロールに対する効果
とかく悪者と思われているコレステロールですが、実はコレステロールには2種類あるのです。
ひとつは、血管壁にくっついたり血管細胞に入り込んで動脈硬化を引き起こすLDLコレステロール。悪玉コレステロールとも呼ばれています。悪玉コレステロールが血管にたまると、血液の流れが悪くなったり、つまったりします。冠状動脈が狭まったり、つまった状態が、狭心症や心筋梗塞です。
もうひとつのコレステロールは、HDLコレステロールです。悪玉コレステロールが血管細胞に侵入するのを防いだり、血管璧に沈着した悪玉コレステロールを取り除く働きがあり、善玉コレステロールの別名があります。善玉コレステロールは動脈硬化になりにくくさせるのです。
規則的に有酸素運動をすると、善玉コレステロールが増加し、動脈硬化の予防に役立ちます。
免疫性に対する効果
近年注目されている運動の効果が免疫性です。感染症に対する免疫性で、たとえばカゼをひかないとか、カゼをひいても軽く早く治る、という効果です。
このほど自転車を使った実験により、有酸素運動をすると、体内の病原微生物を処理する能力が向上し、生体防御機構が高まることが証明されました。つまり、カゼをひいても「早く、軽く治る」のです。「万病のもと」といわれ、実際こじらせると死に至ることもあるカゼが早く治るという効果は、健康づくりのための運動の面目躍如です。運動効は、成人病予防にとどまらないのです。
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