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食用としてのフグの歴史は長く、先史時代(弥生時代以前)までさかのぼります。
平安時代から鎌倉・室町時代の頃には全国的にフク(布久)と呼ばれていたそうです。
そのことは日本最古の分類漢和辞典「倭名類聚〓」の中で、「布久」と読ませている事が確認できます。
なぜ河豚が幸福を呼ぶ魚なのかは、これを『福』=『フク(布久)』=《河豚》と関連付けて文字通り海の幸としたのが由来ではないでしょうか。
ただ、江戸時代になると、関東地方でフクが訛ってフグと呼ぶようになり、その呼び方が全国的に広まり、現在ではフグで通用するようになりました。
山口県は平成元年に「ふぐ」を、幸福をもたらす魚として県の魚に定めました。
ふぐは白身魚の代表的な魚です。
ふぐ肉の特徴は、高タンパク質・低脂肪・低カロリーであることです。
特に脂肪の数値が低いことは、他の白身魚と比較した場合でも特筆すべきものであり、河豚肉の最大の特徴でもあります。
フグの肉は、他の魚類と牛肉との中間に位置するという比喩で表現される事があります。   
ふぐの肉は他の魚と比べて圧倒的に繊維質が強いため柔らかさを感じません。
そのため、繊維質が多い牛肉の筋を使った「牛肉のたたき」のように、薄く切らなくてはならないのです。
また、ふぐの肉は三枚におろして24時間〜36時間程度冷蔵庫で置くとよいと言われています。
魚肉や畜肉は、さばいた後に、いわゆる死後硬直を起こし肉が硬くなります。その後タンパク質が分解してアミノ酸が増えて柔らかくなってきます。
この硬直が解け始める頃に、うまみ成分であるイノシン酸が最大となるので、この頃に食べるのが味が良いとされます 。
ただし、魚の肉は比較的柔らかい為に硬直が解け始める頃にはすでに触感が悪くなるので、死後硬直直後、もしくは硬直中の4〜5時間までに食べるのが良いとされています。
ふぐの肉が、ある程度の時間を費やして保管されてから料理されるのは、肉の特性が牛肉のような「熟成」を必要とするからなのです。
ふぐの皮やくちばしはほとんどゼラチン質でこれは良質なコラーゲンの塊です。
とりわけ、とらふぐの表皮の下にある真皮と呼ばれる部分はコラーゲンが多く含まれています。
コラーゲンは、私たちの体を構成するタンパク質の3分の1を占めており、皮膚、骨、関節の軟骨、骨と筋肉をつなぐ腱、歯、歯茎、血管などあらゆるところに存在しています。
様々な働きをするコラーゲンをとらふぐから摂取!
コラーゲンは肌に潤いを与えたり、骨の中のコラーゲンはカルシウムやリンの「つなぎ」のような働きをし、骨を強くてしなやかに保ちます。
水晶体や角膜なども、コラーゲンによってハリを保っています。常にコラーゲンを補給すれば、老眼などの予防も期待できるそうです。
コラーゲンは体を構成する基本的な成分ですが、年をとると体内で合成する力が衰えますので、適度に摂取することによりそれぞれの部位においては常に若々しさを保つことにつながります。
ふぐの冷凍・冷蔵の技術や方法は大変重要です。それはふぐは有毒の部分から食べられる筋肉へのふぐ毒が移る可能性があるということです。
ふぐは死後肝臓の腐敗が早く、それが筋肉に移ってしまう「キモ焼け」が発生することがあります。肝臓の黄色・茶色が白い筋肉へ移るのです。
少しの以降なら削除などの処理で何とか対応できますが、筋肉全域に移行してしまっては食材としての利用価値がなくなってしまいます。

このように、ふぐは冷蔵・冷凍についても特別な配慮を必要とするのです。


フグの王様「とらふぐ」

フグの中で一番の高級魚といえば、とらふぐです。
胸びれのそばに大きな円に近い斑紋があり、しりびれが白いのがその大きな特徴です。
フグのなかでも成長が速く、大型(体長70cm前後 体重2kg前後)になります。
最近では全国的に漁獲量が減少し、ますます高級魚となってきました。
食用として取引されるフグの中で一番の高級魚とされ、独特の旨みと食感で蟹と並び「冬の味覚王」と呼ばれています。


フグの女王「まふぐ」

フグの中でもまふぐと呼ばれる種類は日本の沿岸部に分布し、季節によってはふくの王様「とらふく」よりも美味しいとさえ言われます。
山口県萩、見島沖では、2月頃よりマフグ漁が本格化します。
まふぐは身の色が美しい飴色で、深い旨みがあり、地元の猟師さんに「味の点ではトラフグよりもマフグが勝る」と言わせるほどです。


フグの一大集積地
「下関 南風泊港
(はえどまりこう)

南風泊港の正式名称は下関漁港南風泊分港といい、彦島の西山地区にあります。
「南風泊」という地名の始まりは、「江戸時代の初期にはじまった北前船が関門海峡を抜ける際、
激しい『南風』を避けるために停泊していた地。」とされています。
この南風泊港に南風泊市場があり、年間の水揚量は3,100トンに達し(1997年)全国のフクの約80%がこの南風泊市場に運びこまれています。
下関のフクの市場が、全国的に圧倒的に優位を保っている理由は、地理的利点や歴史的背景からだけでなく、
フクにかかわる人々の強い団結力と積極的な投資があるからです。
最近では、大型活魚槽を設置したり、流通システムを確立したりして効率よくフクを動かす努力をしています。
また、一方では大口の養殖フクの入荷に成功しています。



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