江戸検1級に最年少で合格したという、お江戸ル(お江戸のアイドル)・堀口茉純さん。
彼女の初の著書『TOKUGAWA15』は2011年9月の発売から好評発売中。
そこで、今注目の堀口さんに江戸や徳川家の魅力について伺いました。
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幼少期より時代劇に親しむ。
小学四年生の時、司馬遼太郎の『燃えよ剣』で沖田総司に初恋。
明治大学卒業後、女優として舞台やテレビに出演。
一方、2008年江戸文化歴史検定1級に合格。
その後、講演・執筆活動にも取り組んでいる。
『TOKUGAWA15』出版後の反応 :
「こんなに江戸が好きなんだっていう本気度が周りに伝わりました」
今後書いてみたいテーマ :
新撰組、小栗上野介、田沼意次
――― まずは『TOKUGAWA15』出版の経緯を教えてください。
今までコラムの連載などは書かせていただいていましたが、一冊の本という形にしたことがなかったので、何か自分の名刺代わりになるような本が作りたいなと思っていました。
そのためには情熱を注ぎ込んで書けるものがいいなと思っていたところに、出版社の草思社さんから「堀口さんの好きなもので書いてください」と言っていただいたので、「好きなものでいいんですかー!」とノリノリで書きました(笑)

――― どうして徳川将軍にしたんですか?
歴史を好きになったきっかけは新撰組だと、『TOKUGAWA15』に書いてありましたが、新撰組じゃなく徳川をテーマに決めたのか少し不思議でした。
あー、なるほど。
新撰組をテーマにすると幕末に限られてしまうからです。
私は広く歴史が好きで、その中でも特に江戸時代に興味を持って活動しているので、ザ・江戸という本にしたかったんです。そこで、徳川将軍15人を並べるとリレーみたいに江戸時代が繋がるなと思いつきました。
それで今回は私の一番最初の本ということもあり、がっつり徳川にしようと決めました。
――― 実は私も結構歴史が好きなんです。江戸をテーマにした本や映画は沢山ありますが、そういう作品の隣にあるといい本ですね。分かりやすいので、辞典みたいに使えるなと思いました。
まさにその通りで、家庭の医学的な感じで使ってもらえたらいいなと思って作りました。
家康や吉宗の時代だったり幕末だったり、時代劇っていろんな時代が舞台になりますよね。
だから、この本は1ページ目から読んでもらう必要って全然なくて、例えば新撰組だったら14代家茂から読んでみようかなとか、吉宗の時代ってどんな時代だったのかなとか、そういう字引みたいに使っていただいても面白い本だと思います。
――― それと、『大奥』が好きでドラマを見ていて、家定のイメージは堺雅人さんで固まっていたんですけど、「家定ってこんな人だったんだ!」っていう知らなかった部分を知ることができて面白かったです。
実はすごい賢くて、趣味が料理みたいな(笑)
――― そうなんですよ!(笑) だからこの本があると、もっと歴史に興味持てるなと思いました。
本当にありがたいですね。
どうしても私の主観で見てしまっている部分はあるんですけれども、底辺には『徳川実記』ですとか、信用性の高いものを資料にしています。虚構は虚構で私も大好きなんですけれども、本当はどうだったのかっていうのが分かるとさらに面白くなるかなーと思っています。
――― 江戸の魅力をどの辺に感じてるんですか?
やっぱり文化的な部分ですね。海外からみて、ジャパニズムだったりジャポネスクだったり、そういう日本文化らしさっていうのは実は江戸時代の中に凝縮されるんじゃないかなと思っています。
局地的に外部からの交流があったといえども、一応鎖国と言われる状態となって、ものすごくオリジナリティが出てきた時代だろうなって思うんです。たとえば、日本髪や着物・着付けがそうですね。
――― 確かにそうですね。
あとは、江戸以前にも鳥獣戯画や大納言絵巻といった絵巻物文化はあるんですが、江戸時代の浮世絵文化がマンガや、アニメーションの最初だっていう見方ができるんです。
絵巻物は一点物の世界で、貴族階級の人が楽しむ文化だったんですけど、江戸時代に入って木版画の浮世絵が大量に作られるようになったことで、庶民もそういった文化を楽しめるようになった。
これって日本のオリジナリティだと思います。

――― 外国ではどうだったんですか?
西洋だと貴族が作ったものが大衆に受け入れられて広がっていきました。
江戸文化の場合は歌舞伎俳優であったりとか、遊女であったりとかヒエラルキーで言うとほとんど下の人たちからの突き上げで、上の人たちが真似していったっていうのがとっても面白いですね。
今、国内的にはアニメやマンガはサブカルチャーと言われているんですけれども、実は本当はカルチャーなんじゃないかと。日本って江戸時代からそうだったじゃないって。
――― なるほど。すごく面白いですね。
江戸を知ると今が分かるというか、共通点が見つかるんですよ。これから日本が国際的にどう見られたいかとか、日本の価値ってなんだろうって考えたときに、振り返ると江戸時代の文化はオリジナリティとして本当に大事にしないといけないなって感じていますね。
それに、江戸時代は発明も禁止されていた時代だから、職人さんだったら特に彫ることに一生懸命になってみたり、刷ることに一生懸命になってみたり、何か得意分野に特化した人たちの時代だと思うんです。
――― 江戸には、職人というイメージがありますしね。
本当に職人気質な時代ですよね。
それは平和だったからできたことかもしれないですし、いろんな意味で面白い時代なんですよ。
――― 『TOKUGAWA15』の巻末にある、「勝手にランキング」がすごく面白かったです。そこで、堀口さんの視点で、それぞれの将軍のナンバー1なところを教えてください。
| 初代・家康 | 戦争嫌い | 9代・家重 | 可哀想 |
| 2代・秀忠 | 恐妻家 | 10代・家治 | よくも悪くもエリート |
| 3代・家光 | グランドファザーコンプレックス | 11代・家斉 | ビッグダディ |
| 4代・家綱 | 旅行先で見かける頻度 | 12代・家慶 | 頭の大きさ |
| 5代・綱吉 | 生き物好き | 13代・家定 | ギャップ |
| 6代・家宣 | 上司にしたい | 14代・家茂 | 付き合いたい |
| 7代・家継 | 可愛い | 15代・慶喜 | 頭が良い |
| 8代・吉宗 | 身近にいてほしいリーダー |
初代・家康は本当に戦争が嫌いだったんでしょうね。
『TOKUGAWA15』にも書きましたが、家族を殺してしまうような、ちょっとおかしい時代ってあったでしょ。
それは乱世という時代のせいになってしまうんですけれども、それはおかしいんだ、戦争しないことが一番なんだって彼はどこかの時点で気づいたはずです。
だから幕府を開いて、嫡男に後を継がせたり、自分の血統で御三家をつくったり、戦争が起きないシステムを作ったっていうのは本当に戦争が嫌だったからでしょうね。
――― 2代・秀忠はどうですか?
秀忠はやっぱり恐妻家っていうことになるんでしょうね(笑)。
恐妻家だけれども愛妻家なんですよね。優しいんですよ、きっと。
3代・家光は私に似ているんです(笑) 「TOKUGAWA15判定」という、自分がどの将軍タイプなのか判定できるfacebookアプリを作っていただいたのですが、私は何回やっても家光なんですよ(笑)
――― そうなんですか!?
はい。もう本当に彼には共感する部分がすごく多くて。根暗だしナイーブだし。
ナイーブだからこそ、日光東照宮参拝のような派手なことをやって、自分を盛り上げている部分とか。
あとおじいちゃん大好きですね。グランドファザー・コンプレックスはナンバー1です。
――― 4代・家綱はどうでしょうか。
この人本当に優しいです!
――― 知っている人かのように話しますね(笑)
あと家綱は旅行していて名前を見かける頻度は、ナンバー1ですね。
観光名所にある立て札でよくみかけるんです。先日も島根へ行ったときに出雲大社の鳥居だったかな、そこに「この鳥居は家綱のときに改修した」とか、さりげなく書かれていました。
彼は自分で絵も描いていましたし、すごく芸術好きで文化財を保護したからだと思います。
5代・綱吉は、やっぱり犬が好きですよね。
――― そのイメージがすごく強いです。
犬公方のイメージが強すぎで、ちょっとイタイ人のイメージがあると思うんですけれども、きっと彼が法律や制度に「人権」というものを持ち込んだ人です。
それまでは迷子や捨て子が社会問題になっていたらしいんですね。それを「やっちゃいかん」って取り締まったのが綱吉です。まあ厳しくやりすぎて、他の問題も出てきてしまったんですけれども(笑)
犬だけじゃなく、生類すべてを大切にしようとした人です。
6代・家宣は上司にしたいですね。でも出世はできないタイプなんですよ、いい人すぎて(笑)
――― そうなんですか(笑)
本当に周りの人の意見をよく聞くし。でも、実際上に立つと心労がたまっちゃって、イマイチ力が発揮できないタイプです。でも上司だったらすごいいいですよ、わけ隔てなく優しくしてくれます。
――― 7代・家継は『TOKUGAWA15』の中の似顔絵から、堀口さんの愛情を感じました。
家継は可愛いですよ、本当に!
彼は治世が短かったので、残っている資料といえばあどけない「ととぽむ」と言っていたみたいなものしかなくて、でもなんか可愛いと思いました。
8代・吉宗は家康ジュニアなんですよね。
――― 一番家康の影響を受けている将軍でしょうか?
家光もかなり影響を受けていますけど、おじいちゃんとして身近に感じていた部分があるんです。
でも吉宗は嫡流じゃない御三家から入っていることもありますし、吉宗にとって家康は信仰の対象になっているんですよ。家康の月命日には欠かさず家康のことを夜通し話したりとか、日光東照宮に参拝にも行っちゃったりとか。
吉宗は家康マニアですね。(笑)
次の9代・家重はねー、可哀想な人ですよねー。
――― そんな(笑)
もう本当にやりきれないんですよ! お父さんである吉宗があれだけすごくて、何かにつけてお父さんを引き合いに出されたりとか、しかも弟がかっこよくて出来が良かったりするんです。そっとしておいてよって思っていたはずですよ。
10代・家治はよくも悪くもエリートですね。ボンボンだったがゆえに、ガッツがなかったんでしょうね。エリートの弱さがモロに出ちゃったタイプで、ちょっとがっかりなんです。
――― 次は11代・家斉ですね。

家斉はビッグダディって本にも書きましたけれど、やっぱ絶倫なんでしょうね。ちょっと子作り頑張りすぎです(笑)。
12代・家慶はそうですね、ブサイク……ですよね。あとは頭のでかさ、脳みその重さはナンバー1です。1800ccあるので、これはもう誰にも負けないです。
13代・家定はギャップです。暗愚と言われながらも、たまにいいこと言ったりとか。しかも料理作ってくれるんですよ。
――― 堀口さんは14代・家茂好きですよね。
もっちー(家茂)は本気で付き合いたかったナンバー1ですよ!みんなも好きになれって思いながら本を書きましたから!
――― 最後は15代・慶喜です。
慶喜はすごく頭いいんですよね。
――― 私はクールなイメージがありますけど。
私はなんでしょうね、シャア。ガンダムのシャアズナブルを、彼の中にみたんですよ。彼も人より三倍早く動けるんですよね。でも、頭が良すぎて損したタイプです。あと間違いなくイケメンです。
と、堀口さんには江戸と徳川の魅力をたっぷり教えていただきました!本当に堀口さんの熱い想いが伝わってくるお話でした!
さて、江戸や徳川に興味が出てきた皆さんには、堀口さんとスタッフがオススメの本をご紹介します!
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るろうに剣心 和月伸宏 新撰組や大久保利通暗殺事件など史実も折り混ぜられた人気漫画。 |
大奥 よしながふみ 将軍は女性、大奥は美男三千人が集められた女人禁制の場所という、斬新な設定で映画にもなりました。「本当はどうだったんだろう」という興味が持てる作品です。 |
燃えよ剣 司馬遼太郎 新撰組発足から、終焉までを描いた名作。堀口さんもこの本を読んで沖田総司にほれ込みました。 |
峠 司馬遼太郎 幕末の長岡藩が舞台のお話です。河井継之助は結局敗れていく人ではあるんですけれども、彼はすごく頭の良い人なんです。サラリーマンにぜひ読んでもらいたいです。 |
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桜田門外の変 吉村昭 吉村先生の作品の特徴でもあるんですけど、資料性がものすごいんですよね。井伊直弼襲撃のシーンは何度読み返したことか。3分くらいの出来事なんですけど、本当にすごい臨場感です。 |
一日江戸人 杉浦日向子 江戸の文化を中心に、この時代のことがちょっとずつ楽しく分かる、抜群に面白い本ですね。ふんわりとしていてすごく読みやすいです。女性におすすめです。(堀口さん) |
名ごりの夢 蘭医桂川家に生れて 今泉みね 幕末のころの回顧録なんですけれども、その時代に生きていた人たちが何を考えていたのか知れる本ですね。こちらは江戸について詳しく知りたい方向けです。(堀口さん) |
夢酔独言他 勝小吉 こちらも上級者向けですね。『夢酔独言』は勝海舟のお父さんが書いた日記なんですね。口語体で書かれているのですごく読みやすいんですよ。 |
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武士の家計簿 堺雅人 森田芳光監督が描く時代劇。時代は幕末、加賀藩の御算用者(経理)の下級武士が、家計を立て直すため家族一丸となって倹約生活を実行を決意します。くすっと笑えるあったかいストーリーです。 |
龍馬伝 福山雅治 近世末期に生まれ、明治維新に影響を与えた志士・坂本龍馬の波乱万丈の人生を描いた大河ドラマ。福山雅治さんをはじめ、豪華キャストも見逃せません。 |
JIN-仁- DVD-BOX 大沢たかお 現代から江戸時代へとタイムスリップした医師の奮闘を描きます。村上もとか原作のマンガを大沢たかおさん主演で映像化。幕末の江戸の市井が楽しめます。 |
壬生義士伝 中井貴一 新撰組隊員・吉村貫一郎を通して、愛や義理を描いた作品。特に男性は、吉村の生き様にぐっときます! |











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