 | お客様コメント |

BLUE BABYS 2002年09月06日 登録
★★★★★もし盲目的に信じているものがあったとしても、従うだけの羊であってはならない。「王国」シリーズ第一弾。殺人を犯し、少年期を過ごしたキリスト教系の施設に逃げ込んだ青年の話。キリスト教という、世界的に力を持つ宗教の裏側を垣間見ることが出来ます。愛を説きつつ性愛を禁じる宗教の矛盾。沈黙を守るが故に、信者の「父」になれない神の無力。
主人公と神父の、最後の会話の場面は、句読点の打ち方に気をつけて読んでみるといいですよ。
こむすめ 2004年08月19日 登録
★★性の観念を持たない天使たちには、神の子の苦悩がわからないのです。
ざわざわ書房 2003年04月09日 登録
★★★★芥川賞受賞作品。当時の選考委員の評が凄かった。「まさに冒涜の快感を謳った危険な小説」・・。表紙の絵も凄い。フランシスベーコンの「磔刑のキリストの足元の人物の三つの習作」・・。それに口絵写真の作者の写真もある意味凄い。それに怖気づいてついつい読むのが今ごろになってしまった(と言うのは言い訳)。確かに内容は過激。想像したくない食事のシーン(ひいー)や暴力的なシーン(きゃー)。性の描写も半端じゃない。舞台が修道院だけにその清浄なイメージとのギャップが、楽しいと言うよりは矢張り激しい。がしかしそれが心理的にもし許せなくても、この作品には読む価値があった。日本語が美しいのだ。主人公の朧が言う。「いや、(神の)正体は、言葉。あくまでも言葉。神の実態は、たぶん言葉の万能ぶりなんだよ。」ここまで言ってしまっていいのか!・・周囲を嘲るようにしかし透明感を持ってスルドク斬り出す萬月流の言葉の殺陣は、私達の目から多分「常識」という名前で張り付いている大きな鱗を落とすだろう。
エロと恐怖と笑いの変態よい子堂 2002年04月16日 登録
★★★★★殺人を犯し、逮捕を逃れるために修道院に逃げ込んだ少年が、神に背く行為を続けながらも、修道院での生活に喜びを見出し満たされていく様を描く。花村満月の描く暴力には人がぽんぽん死んでいくような安っぽさは全くない。性描写についても、汗の香がこちらにまで漂ってくるような気さえする。全くもって濃密な作家である。
書肆・煩凡亭:やおい扱いあり升 2004年04月13日 登録
★★★★性、時に聖に通じる。
人畜無害堂 2002年07月15日 登録
★★★★★最高・・っていう言葉はこの作品に対しては効力を持たない。痛々しいまでに自分に正直で、刹那的に生きる主人公。世間的に言えば完全な悪人の修道院での生活である。だが考えて見て欲しい。モラルとはなんだろう。道徳とは?私は無自覚の悪ほどたちの悪いものはないと思う。また作者自信が修道院で育った経験を持つということもあり、描写がすごい。修道院の夜露の匂いを嗅いだ気がした。
知的美人になりたい! 2001年08月17日 登録
★★★★もう、絶望的なほどの暗さ。しかも私が好む「冥さ」ではなく、暴力を反道徳に満ちたくらさ。気分が悪くなります。これからはきっと花村萬月さんの作品は嫌煙するでしょうね・・・